研究ノート
中野区の小規模企業勤労者と大規模企業勤労者の血圧の比較
越前谷 昇
1
Noboru ECHIZENYA
1
1中野区中野北保健所鷺宮保健相談所
pp.359-362
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900580
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●はじめに
大都市では小規模事業所の就業者の割合が多い区市町村ほど,全死因および脳血管疾患標準化死亡比が高くなっていることが報告されている1).東京23特別区においても,「30人未満事業所雇用者の割合」が多いほど,標準化死亡比は,高い傾向にある2).
一方,東京都民の健康診査の受診行動調査で,一般勤労者をさらに従業員規模別にみると,従業員50人以上の事業所に勤務する者の一般健康診査受診者は極めて高く,未受診者は8%に過ぎないが,従業員10人未満の事業所に勤務する者の未受診率は46%に達し,自営業者の未受診率をも上回っている3).
このような状況にある小規模事業所従業者の健康問題は,単に労働衛生上の施策にとどまることなく地域全体の健康水準を改善するために,地域のなかで最も問題の多いこれらの人々の健康水準を引き上げることが大切という地域保健の観点をもって取り組むべきことが強調されている4).
東京都中野区も,このような視点から区内4カ所の保健所,保健相談所において,「小規模企業勤労者健診」(従業員20人以下の事業所に働く人)および.「受託健診」(従業員21人以上50人未満の事業所に働く人)を実施している.
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