保健婦活動—こころに残るこの1例
地域の中で育つT君との関わりの中で感じたこと
鈴木 千佳子
1
1岡山県井笠環境保健所
pp.883
発行日 1991年12月15日
Published Date 1991/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900488
- 有料閲覧
- 文献概要
T君は,在胎期間25週と6日,体重800gという超未熟児で,この世に生を受けた.呼吸困難,徐脈,チアノーゼ,新生児けいれん等があり,人工呼吸器を3カ月間使用していた.
私が,T君と初めて会ったのは,T君の住んでいるS島の担当になったばかりの頃だった.妹の育児相談に,両親と一緒に来ていたT君は,月齢は,2歳10カ月になっていたが,体格も小さく,まだ一人立ちがやっとで,歩けず,言葉も「マンマ」が言えるのみ,といった状態であった.8カ月になる妹を見つめている,大きな目が印象的であった.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.