資料
慢性分裂病者の体力—テスト評価と訓練治療効果の検討
境 美津枝
1
,
島津 靖子
1
,
三角 順美
1
,
大井 和子
1
,
五十嵐 善雄
1
Mitsue SAKAI
1
,
Yasuko SHIMAZU
1
,
Naomi MISUMI
1
,
Kazuko OHI
1
,
Yoshio IGARASHI
1
1北九州市立デイ・ケアセンター
pp.139-142
発行日 1991年2月15日
Published Date 1991/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900289
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●はじめに
精神障害者が地域社会において生活を維持し,社会に受け入れられていくには,社会に対して彼らの病気や,障害を理解されやすくする必要がある.例えば,精神障害者が「きつい,力が出ない,根気が続かない」としばしば口にする姿が,一般には“怠け”と理解されやすい.そのため,熱心な援助者ほど叱咤激励といった頑張りを求めることにもなりかねない,彼らの怠惰としか見えない反応に,心理的側面からのみアプローチするのではなく,その背景にある体力のなさや精神的脆弱性を明確に知っておくことが必要と考える.
そこで,彼らの障害の見え難さを視覚化するための指標として,また,障害の受容に視点をおき,障害を本人のみならず,家族とも共有しやすくする評価の方法として,体力テストを取りあげた.
精神障害者の体力については「体力診断テストの評価」1)として,昭和63年7月,第21回福岡県デイ・ケア研究協議会で報告した.今回は症例を増し,上記の視点にたって客観的評価に加え,対象である通所者自身の主観的評価もあわせて検討した.
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