資料
都市勤務者の長期休業に関する研究
中西 範幸
1
,
多田羅 浩三
1
,
田中 薫
2
,
橋本 周三
3
Noriyuki NAKANISHI
1
,
Kozo TATARA
1
,
Kaoru TANAKA
2
,
Shuzo HASHIMOTO
3
1大阪大学医学部公衆衛生学教室
2高知県室戸保健所
3尼崎市医師会
pp.62-66
発行日 1991年1月15日
Published Date 1991/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900267
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●はじめに
わが国の人口の高齢化と定年延長に伴い,労働力人口に占める高年齢労働著の割合は増加しており,労働力人口に占める55歳以上の者の割合は,昭和第60年の18.0%から20年後には27.8%となることが推計されている.労働者が健康に就労し,その能力を十分に発揮できる職場環境を形成することは,職域における健康管理を推進する上での最も重要な課題となっており,労働環境のめざましい変容に即応した健康管理の対応が厳しく迫られている.このような動向を受けて,昭和63年度に労働安全衛生法の改正が行われ,積極的な健康増進に向けた労働者のための健康管理の方向が示されている.市町村においては,老人保健法などを墓盤として,成人病予防を中心とした健康管理の動きが大きな高まりを見せている中で,事業者責任を基本とする職域の健康管理においては,事業基盤が弱い中小・零細企業の取り組みの不足が指摘されており1〜3),中小・零細企業労働者の健康の確保とその支援は,事業者の責任,国の行政分野としてのみならず市町村としても大きな問題となっている.
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