調査報告
40・50歳の節目の都市住民における検診受診の状況
中西 範幸
1
,
坪田 啓二
2
,
坪井 久男
2
,
浅井 ひろ子
2
1大阪大学医学部公衆衛生学教室
2吹田市民生保健部保健センター
pp.818-823
発行日 1996年11月15日
Published Date 1996/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901596
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高齢者人口の増加にともない,心臓病,脳卒中などの循環系疾患の患者数は過去10年の問に5割増加し,循環系疾患での一般診療医療費は平成4年度には4兆8,392億円(総一般診療医療費の23.8%)に達している1).また新生物の一般診療医療費も2兆728億円(同10.2%)を示し,循環系疾患と新生物の一般診療医療費は総一般診療医療費の3分の1を占めており,こうした患者や医療費の増加は社会的,経済的にも重大な損失となっている.
これらの課題に緊急に対応するために,平成4年4月に厚生省から通知された老人保健事業第3次8カ年計画では各健康診査の受診率の当面の目標が示され,保健事業実施要領(老健第86号)の中では基本健診診査とがん検診の推進を目指して総合健康診査が提唱された.これは40歳および50歳の節目に当たる者のうち,希望する者に対して基本健康診査(尿酸と総蛋白の検査を追加)とがん検診(大腸がん検診は,必要と認めた者に直腸鏡検査を実施)を同時に実施するものである.
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