調査報告
島根県の漁村と農村の生活実態と住民の血清脂肪酸構成
尾崎 米厚
1
,
福島 哲仁
2
,
塩飽 邦憲
2
,
山根 洋右
2
Yoneatsu OSAKI
1
,
Tetsuhito FUKUSHIMA
2
,
Kuninori SHIWAKU
2
,
Yosuke YAMANE
2
1国立公衆衛生院疫学部
2島根医科大学環境保健医学教室
pp.57-61
発行日 1991年1月15日
Published Date 1991/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900266
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●はじめに
わが国には,現在約432,000人(1985年)の漁民がおり,その75%が沿岸漁業に従事する零細漁家である.最近の漁業経営の不振,国際漁業規制の強化を反映し,漁民は年々減少傾向にあり,しかも高齢化が進んでいる.漁民およびその家族の健康問題に関する公衆衛生学的調査も少なく,また漁村特有のライフスタイルに対応した保健活動も立ち遅れていると思われる.
今回,我々は,島根県の日本海沿岸の一漁村住民の健康と生活実態を調査し,漁村のコミュニティ・ヘルスケアの課題について検討した.また,循環器疾患に関連し,最近注目されている血清脂肪酸構成を,栄養摂取状況調査とともに測定し,農村住民と比較検討を行い,その特徴的傾向について考察した.
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