特集 臨床疫学
疫学的方法による疾病解析—循環器疾患
上田 一雄
1
,
藤島 正敏
2
Kazuo UEDA
1
,
Masatoshi FUJISHIMA
2
1九州大学医療技術短期大学部
2九州大学医学部第2内科
pp.816-819
発行日 1990年12月15日
Published Date 1990/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900230
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■はじめに
疾病解析(病因,予防,治療,管理)に用いる疫学的手法は,循環器疾患も他の疾患の場合と基本的には同じである.ただ循環器疾患では,疾病の性格上,急性期の診断や治療が臨床上重要視される.加えて昨今の臨床診断学,治療学の進歩は,循環器疾患急性期の病態について多様な情報をもたらしつつある.ところが疫学的手法は時々刻々変化する病態の解析には不向きである.疫学的手法が個々の症例ではなく集団を対象とし,その集団の特性で規定されるベクトルをパターンとして認識しようと試みるからである.ここでは循環器疾患のうち,脳血管障害と虚血性心疾患を例にとって,疾病解析の方法を概説的に述べる.
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