公衆衛生人国記
三重県—4地域の特性を踏まえた保健活動
坂本 弘
1
Hiroshi SAKAMOTO
1
1三重大学医学部衛生学
pp.420-421
発行日 1990年6月15日
Published Date 1990/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900120
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
三重県は紀伊半島の東側にあり,南北に細長い.大別して伊勢路,伊賀,志摩,東紀州の4地域よりなる.名古屋から入ると,木曽三川の橋を渡った所から三重となる.そこから伊勢神宮までの間に広がった平野が伊勢路である.かつて伊勢参宮の旅人の往来でにぎわった街道筋に,現在の都市がある.その中で四日市市・鈴鹿市が工業地帯の中心となっている.伊勢平野の西に鈴鹿山脈があり,西に向かってこれを越えると伊賀の盆地に入る.忍者の昔話と芭蕉で名高い.伊勢路の南には志摩半島があり,海女と真珠で知られる国立公園であり,漁業が主産業である.紀伊半島東岸に沿ってさらに南下すると,尾鷲,熊野のある東紀州となる.その昔の九鬼水軍の根拠地であり,林業,石材業,漁業基地となっている.
4地域は歴史,文化,産業構造にそれぞれ特徴がある.戦後から現在までの公衆衛生の歩みにもそれが投影されており,三重という一括は難しい.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.