特集 地域での寝たきりゼロ作戦
三重県における脳卒中登録の現状
東 八重子
1
,
山口 直美
2
,
佐甲 隆
3
Yaeko HIGASHI
1
,
Naomi YAMAGUCHI
2
,
Takashi SAKO
3
1桑名保健所保健指導課
2三重県保健環境部保健予防課
3津保健所
pp.472-475
発行日 1993年7月15日
Published Date 1993/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900839
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◆はじめに
三重県では,寝たきり老人ゼロ作戦の一環として,脳卒中情報システムを平成2年12月から全県下でスタートさせた.このシステムは,11保健所を中心として医療機関や市町村の協力を得て,脳卒中登録と保健婦の訪問指導を結合することにより,脳卒中情報の流れをシステム化し,機能訓練や様々な社会資源を活用して,在宅患者のQOLの向上や寝たきりの予防を目指したものである.
発足当時,すでに2保健所では地域の中核病院の協力のもとに脳卒中登録が始められ,脳卒中患者の在宅支援体制づくりに取り組まれていたが,その他の地域では全く白紙の状態であり,当事業への認識や体制にかなりの地域格差があった.しかも,事業の中心的な担い手である市町村保健婦の設置率は全国と比較して低く,未設置市町村もあるなど全県下を同一方式で実施するには困難はあったが,各保健所管内の地域性を大切にし,保健所保健婦と市町村保健婦が協力体制をとりながら,県・保健所の事業として位置づけ取り組むこととした.
現在,事業開始から2年数カ月が経過し,高齢化問題に取り組む保健行政も大きく変化してきている中で,本事業の現状について述べるとともに今後の課題について考えてみたい.
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