連載 ヒトとモノからみる公衆衛生史・18
健康増進と「人生の最終段階」・3—なぜアドバンス・ケア・プランニングが推進されるのか
柏﨑 郁子
1
1東京女子医科大学看護学部
pp.1149-1153
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401210419
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はじめに
アドバンス・ケア・プランニング(advance care planning: ACP)は、文字通り事前のケア計画のことである。それはしばしば、「終末期」になる前から行われるものであること、状況や気持ちの変化に合わせて何度でも希望を変更できること、価値観や人生の目標を共有するための医療やケアの専門家、家族などとの話し合いのプロセスであること、意思決定できなくなった場合の代理の意思決定者の指名や事前指示書の作成も含むこと、などがその概念に含まれるといわれる1)。
前回までは、「健康日本21」や社会保障制度に関する法律を参照し、「健康寿命」の延伸と終末期医療にはつながりがあることをわずかながら示してきた。今回は「終末期へのまなざしが健康増進を後押ししてきた歴史」がみえるように、ACPに注目したい。
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