連載 All about 日本のワクチン・23
黄熱ワクチン
福島 慎二
1
1東京医科大学病院渡航者医療センター 感染制御部
pp.1145-1148
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401210418
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1.当該疾患の発生動向
黄熱は、黄熱ウイルス(フラビウイルス科フラビウイルス属)による感染症であり、宿主はヒトとサルなどの霊長類である。ネッタイシマカ(Aedes aegypti)などの蚊に刺咬されることにより、ヒトは感染する。流行地域は、アフリカと南アメリカの一部で、赤道を中心として南北約15度の範囲内である1)〜4)(図1)3)(図2)4)。
最近の黄熱の流行状況として、南アメリカでは、2017から2018年にかけて、ブラジルで大規模な黄熱流行があり、リオデジャネイロ州全域、サンパウロ市の市街地を除くサンパウロ州全域が黄熱の伝播リスクのある地域に含められた5)。アフリカでは、2019年にはマリ共和国で、また2023年から2024年にかけて、カメルーン、チャド共和国、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、ギニア、ニジェール、ナイジェリア、南スーダンで、黄熱感染が報告された6)。
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