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UNICEFブラジルにおける子どもたちの健康への取り組み—気候変動と健康への影響
若林 真美
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1国立国際医療研究センター国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センター
pp.747-749
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401210342
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ブラジルにおける気候変動の影響
世界最大の熱帯雨林を持つブラジルで、2025年国連気候変動枠組条約締約国会議(COP30)が開催される1)。南米アマゾンの熱帯雨林は二酸化炭素を吸収し、地球温暖化を遅らせるのに不可欠であるが、大規模な干ばつによって、こうしたメカニズムが崩壊しつつあり2)、2025年にCOP30がブラジルで初開催される意義は大きいと考える。
アマゾンの森林地帯であるブラジルの北部は赤道直下に位置し、年間を通じて高温多湿である3)。ブラジル北部の州を中心に、今後30℃を超える日が200日以上となる州がもっと増えると予想されている4)。特に2023年9月中旬は中央と北部の州で40℃を超える日が続くなど、30年に一度の熱波に襲われた5)。UNICEFブラジルでは、これらの熱波に影響を受けている子どもたちは、毎年1,360万人以上に上ると予想している6)。
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