予防と臨床のはざまで
5類へどうする? 企業のコロナ出口戦略
福田 洋
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1順天堂大学大学院医学研究科先端予防医学・健康情報学講座
pp.956
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401210139
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多職種産業保健スタッフの研究会、さんぽ会(http://sanpokai.umin.jp/)の2023年5月月例会のテーマは「5類へどうする? 企業のコロナ出口戦略」でした。5月8日より実施された政府の5類移行の方針を受けて、いよいよ企業もCOVID-19の出口戦略を考える時期になりました。3年間続いた発熱外来も終了となり、病院関係者も感慨深くこの動きを捉えています。一方で3月13日以降に個人の判断となったマスク着用ですが、完全にまだ外すという雰囲気でないのも事実。さんぽ会としてもこの機会に「5類移行後の今も個人で行っている対策」「もうやめた方がよいと思う感染対策」などをアンケート調査し、議論することにしました。
前半は私から、この3年間の振り返りについて話題提供しました。実はCOVID-19対応は病院より産業保健が早く、エビデンスがない中、2020年1月から対応に追われたこと、安全衛生委員会でCOVID-19関連の話題が尽きなかったこと、テレワークの浸透とともに在宅勤務の健康影響が出始め、2020年6月にはCOVID-19と産業保健に関する国際シンポジウムで発表したこと、2021年1月の日本健康教育学会のシンポジウムではコロナ下での1年間の論文がレビューされ、特に運動不足とメンタルヘルスへの影響が大きく、緊急事態宣言下では1日における平均歩数が2,000歩減り座位時間が増えたこと、うつ病や不眠が2割増えたことなどについて解説しました。
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