特集 検疫所と地方衛生研究所—さあ、表舞台へ
Editorial—今月号の特集について
曽根 智史
1
1国立保健医療科学院
pp.661
発行日 2022年8月15日
Published Date 2022/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209886
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世界中、日本中を巻き込んだ新型コロナウイルス感染症のパンデミックもようやく収束に向かいつつあり、引き続き感染対策に取り組みながらも、平常の国民生活に戻ろうとする動きが活発になっています。この2年半、保健所や医療機関とともに対策の最前線に立って国民の生命と健康を守ってきた機関に、検疫所と地方衛生研究所があります。
検疫所は、国の機関として検疫法に基づき、海外からの感染症の流入防止に大きな役割を果たしていますが、海外から帰国した際に検疫ブースで係官を見かける以外は、実際にどのような業務を行っているのかについては、あまり知られていませんでした。しかし、2009(平成21)年の新型インフルエンザ(H1N1)の流行の際に注目され、また今回の新型コロナウイルス感染症のパンデミックにおいては、武漢からの帰国者対応、ダイヤモンドプリンセス号対応、その後の帰国者・入国者対応においてその役割が大きな注目を集め、頻繁に報道もされています。本特集の前半では、検疫法と検疫所の業務、過去の感染症対応、新型コロナウイルス感染症対応の実際などについて、検疫所長をはじめとする執筆者によって、詳細に述べていただきました。
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