映画の時間
—我が道を行く息子を信じて、愛して…家族は、大変だ。—銀河鉄道の父
桜山 豊夫
pp.483
発行日 2023年5月15日
Published Date 2023/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401210054
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深夜の列車内、対面座席に赤ちゃんを連れた女性に男性が話し掛けます。子どもが生まれたという電報を見せ、跡継ぎ誕生に喜んでいる男性が、今月ご紹介する映画の主人公、宮沢政次郎(役所広司)、宮沢賢治の父親です。
宮沢賢治といえば、『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』『注文の多い料理店』など数々の作品を残した作家、詩人として有名ですが、生前には、一般的には知られていない作家でした。37歳という若さで亡くなりましたが、賢治の才能を信じ続けた家族が、死後に作品を整理して紹介したことにより、高い評価を得ることになります。本作はそんな賢治への家族の愛を描いた門井慶喜の直木賞受賞作品『銀河鉄道の父』(講談社文庫)を丹念に映像化したものです。
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