映画の時間
—生きる。今までも、これからも。—飯舘村 べこやの母ちゃん—それぞれの選択
桜山 豊夫
pp.363
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401210033
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この3月で東日本大震災から12年になります。発災時の公衆衛生活動については、かつて本誌でも特集が組まれておりますので参考にしてください(75巻12号;2011年12月号)。今月は震災後の福島第一原子力発電所の事故後の状況を描いたドキュメンタリーをご紹介します。
福島県相馬郡飯舘村は豊かな自然に恵まれ、かつてはブランド牛の生産地としても有名で酪農も盛んでした。震災による直接的被害は比較的少なかったものの、原子力発電所の爆発事故により放出された放射性物質を含むクラウドが北西方向に流れ、折からの雨や雪により放射性物質が飯舘村の大地を汚染することになりました。放射能汚染が懸念された牛乳の出荷は停止され、牛の移動も禁止されました。汚染により環境中の放射線量が高かったこともあり、2011年4月には全村避難が決定されました。2017年3月には高い線量が持続する帰還困難区域を除く地域で避難指示が解除されたものの、2022年12月において村に戻った住民は約2割にとどまっている状況です。
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