教育のひろば
新しい看護婦の理想はいずこに
若月 俊一
1
1長野県佐久総合病院付属高等看護学院
pp.1
発行日 1965年12月1日
Published Date 1965/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905530
- 有料閲覧
- 文献概要
一番尊敬する人物は誰と聞けば,たいていの看護婦さんは,判で押したように,シュバイツァ博士の名をあげる。結構なことだ。有名なアメリカのライフ誌が「世界の最も偉大な人」と折紙をつけた人だから,悪かろうはずがない。
しかし,私が心配なのは,彼女たちがほんとうにシュバイツァを理解していっているのではなくて,ただそう教わったから,とりあえずそう答えたのに過ぎない,別に他に心あたりの人物もないので,さしずめそう答えたに過ぎないという点である。アフリカ黒人の難病克服のために献身的な努力を続けた博士。バッハ音楽のすぐれた演奏家で,パイプオルガンの名手。—せいぜい彼女たちの知識はその程度のようである。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.