連載 日本の災害と公衆衛生——過去・現在・未来・1
日本の災害時の公衆衛生活動の歩み—阪神淡路大震災まで
高鳥毛 敏雄
1
1関西大学社会安全学部
pp.974-979
発行日 2022年11月15日
Published Date 2022/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209944
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日本の地体構造とプレートテクトニクス
日本列島は5つの「島弧」と「海溝系」から成り立っている。島弧とは弓なりに弧を描いて並んだ列島のことである。北から「千島弧と千島海溝」「東北日本弧と日本海溝」「伊豆・小笠原弧と伊豆・小笠原海溝」「西南日本弧と南海トラフ」「琉球弧と南西諸島海溝」が並んでいる。これらの島弧と海溝の形成には4枚のプレートが関係している。プレートとは、地球表層部を形成する厚さ100キロメートル前後の硬い岩板である。日本列島および近隣の海域は、「太平洋」「北米」「フィリピン海」そして「ユーラシア」の4つのプレートの上にある(図1)1)。太平洋プレートは南から北米プレートの下に、フィリピン海プレートは東からユーラシアプレートの下に沈み込んでいる1)。プレートが押し合いへし合いして、活断層がつくられており、全国に約2,000程度の活断層が確認されている。日本列島はこのような地体構造であるため地震が絶えない地域となっている。なお、地震には①プレート境界で発生する地震([例]2011年の東北地方太平洋沖地震)、②プレート内で発生する地震([例]1944年の東南海地震)、③内陸部の活断層を震源とする地震([例]1995年の兵庫県南部地震)の3つのタイプがある。
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