予防と臨床のはざまで
予防と臨床のはざまから見るコロナ(その5)
福田 洋
1
1順天堂大学大学院医学研究科先端予防医学・健康情報学
pp.688
発行日 2020年10月15日
Published Date 2020/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209493
- 有料閲覧
- 文献概要
7月に入り,東京都のPCR陽性者数が連日200人を超え,報道は一気に加熱しました.歌舞伎町や池袋などのいわゆる夜の街クラスターから,徐々に家庭内,会食,職場内にも陽性者が増え,感染者数は「第2波」と言ってよい山を形成するに至りました.順天堂医院でも一度解散したCOVID-19専従の入院チームを再結成し,1病棟に減らしていた専用病棟もまた増やす方針となりました.世の中の感染者の内訳をみると20歳代,30歳代の若年者が多く,重症者は少なく,有症者のみならず濃厚接触者を含む積極的なPCR検査も行われるようになっていました.報道により不安に駆られる企業の皆さまには,「疫学的にどんな集団を捉えているのか注意が必要」とお話しました.
7月9日には日本貿易会で「企業の新型コロナ対応とwithコロナの職場の健康管理」についてお話しました.当日はオンラインを含めて日本のそうそうたる商社の方が20社ほど集まり,人事・総務担当の方へコロナの最新状況,臨床現場の検査・治療の様子,さんぽ会の調査から見える企業の新型コロナ対応の現状,在宅勤務の健康への影響等についてお話しました.やはり商社ということで,この状況下でも海外との人の行き来は必要不可欠で,国によって渡航前の陰性証明が必要になり苦慮されているとのことでした.順天堂医院でも7月からビジネス渡航前のPCR検査を開始しました.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.