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あとがき/投稿申し込み書/著作財産権譲渡同意書
高鳥毛 敏雄
pp.712
発行日 2019年9月15日
Published Date 2019/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209238
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「ヘルスサービスリサーチ」は,英国の保健医療分野では重要な研究分野と位置付けられています.日本ではまだ聞き慣れない言葉ですが,今後,発展させていかないといけない分野です.英国の状況については,高橋秀人先生,岩上将夫先生に解説いただきました.また,積極的に導入してきている韓国の状況については全保永先生に解説をいただきました.
ヘルスサービスリサーチの今後を理解するには,英国と日本の保健医療領域のデータの位置付けの違いを理解する必要があります.英国の社会サービスの起源は救貧法とされています.救貧法は貧困者数が増大した19世紀には維持できなくなり,財政圧縮が必要となって,大きな政治問題となりました.その副産物として産み出されたのが公衆衛生制度といえます.そのため,英国の公衆衛生には,その出発時点から,死亡や疾病の衛生統計を整備して社会の支持を得る必要がありました.今でも,英国の公衆衛生の責任者の最も重要な業務は,ヘルスデータをまとめてレポートを作成・公表することとされています.第二次世界大戦後,医療サービスを国営の病院(NHS)が提供することとなり,税金を財源とした制度となりました.そのため,医療サービスの有効性や効率性を評価・公表・改善することが求められるようになりました.1990年代にはNHSが独立行政法人化され,サービスの効率性と質の向上を図ることを一層強く求められるようになっています.
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