連載 ヘルスコミュニケーションと健康な社会づくりを考える Dr.エビーナの激レア欧州体験より・12【最終回】
長寿時代に求められる生き方と政策—「人生100年時代」の生みの親,リンダ・グラットン教授の経営思考から
蝦名 玲子
1
1株式会社グローバルヘルスコミュニケーションズ
pp.624-627
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209209
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本連載ではこれまで,近年,欧州(主に英国スコットランド)で私が体験した珍しい出来事を紹介し,それを基にわが国のヘルスコミュニケーションや健康な社会づくりについて考察してきました.最終回である本稿では,英国から帰国後に「Empowered Woman Japan 2018」(以下,会議.運営は日本マイクロソフト社)という会議で出会った,「人生100年時代」の提唱者,ロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授の論考をご紹介します.
令和時代が幕を明けましたが,新時代では,人類はいまだ経験したことがないほどの長寿を経験しそうです.日本では平成元年と比べて平均寿命は男女ともに5歳以上延びており,また,近年の健康寿命は平均寿命の増加分を上回る延伸が確認されています1).これは,われわれ公衆衛生関係者の努力のたまものとも言えるもので,実際,経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development:OECD)からも日本の公衆衛生施策は高く評価されています2).
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