映画の時間
—そのとき,人生に光が差し込んだ.僕たちの一期一会.—12か月の未来図
桜山 豊夫
pp.321
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209128
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主人公である教師が,教室で生徒に答案を返している場面から映画は始まります.謹厳実直を絵に描いたような教師で,一人一人に辛口のコメントをしながら答案用紙を返していきます.教師の名前はフランソワ・フーコー.高名な作家を父に持ち,パリの名門高校に勤務するベテランの国語教師である様子がテンポよく描かれていきます.妹も芸術家として成功しており,知的で優雅な家族の中で独身生活を送っています.
父親の出版記念会で,父の友人に名門高校の教師であると紹介され,パリ市内と郊外との教育格差の問題が話題になります.フランソワは,郊外の学校は新人教師が配属されていて生徒を把握できていない,また,市内の高校のベテラン教師を郊外の学校に派遣して新人教師を支援することが問題解決に役立つだろうとコメントします.そばでその会話を聞いていた美しい女性が,それについてゆっくり話す機会をいただきたいと名刺を渡します.女性は国民教育省で教育格差の問題に取り組んでいる専門家でした.
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