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あとがき/投稿申し込み書/著作財産権譲渡同意書
高鳥毛 敏雄
pp.78
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209065
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本誌の特集企画は農業・食品産業技術総合研究機構の筒井俊之氏(獣医師)に立案をお願いし,動物衛生に関わる方々を中心に執筆をいただきました.1996年の堺市学童集団下痢症は人獣共通感染症の腸管出血性大腸菌O157が原因でした.当初,食中毒としてのみの対応で始まりましたが,二次感染者が多く発生し,その対応の在り方が問われました.1998年に成立した感染症法において,動物由来感染症への対応が明確に位置付けられました.食中毒を起こすサルモネラ菌やカンピロバクター菌,またインフルエンザウイルスなど,多くのものは動物由来のものです.
獣医師と保健医療職は,卒前教育では獣医師資格免許が農林水産省の所管ということもあって,ほとんど接点がありません.しかし,動物由来感染症への対応を行うためには,保健医療職と,動物衛生に関わる分野の職員との協働や連携が不可欠となっています.BSEが問題になっていた2005年に北海道釧路家畜保健衛生所を訪問させていただいたことがあります.13名の獣医師で構成され,家畜農家の指導・相談,病気の家畜の診断・検査,許認可事務,殺処分など,ほとんどの業務が獣医師だけで行われていました.保健所には保健師や検査技師などの多職種がいて業務を行っているのと対照的な印象を受けました.
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