連載 Coda de Musica 心に響く音楽療法・10
病気と音楽—あなたのきっかけは「誰」ですか?
三道 ひかり
1,2
1東京大学大学院医学系研究科国際地域保健学教室
2日本音楽療法学会
pp.784-788
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208993
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人生の転換期
「この病気にかかったことを今では感謝しています.その経験がなければ今の私はありません」こんなコメントを本やテレビ番組などで見た,聞いたことはないだろうか.病気にかかったことが,結果として自分自身に大きな経験を与え,それまでとは全く違った人生を歩むようになったというメッセージである.
病気にかかることを望む人は誰もいない.できることであれば,死ぬまで医療の世話になりたくない.しかし,突如として私たちは病気にかかり,何気ない日々の時間を過ごせなくなる.そうして,医療を受けるために入院をしたり,自宅での療養生活を迫られる.健康な自分から,病の自分になる時,私たちの心はどう変化するのだろうか.
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