連載 Coda de Musica 心に響く音楽療法 Ancora・3【最終回】
公衆衛生と音楽
三道 ひかり
1,2
1日本音楽療法学会
2東京大学大学院医学系研究科国際地域保健学教室博士課程
pp.316-319
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209126
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ジョン・レノンと音楽
日本国内の緩和ケア病棟で音楽療法士として勤務していた際,1970年代の音楽にこそ意味があると言う患者さんと出会った.「フォークソングしか興味ないかな.特に1970年の曲.反戦の時代で,音楽にとても強いメッセージがあって好きだったなぁ」と言いながら,ジョン・レノンの曲をリクエストした.音楽によって平和を歌っていた時代.音楽によって社会を動かそうとしたジョン・レノン.1970年代は,音楽が人の心を大きく動かした時代.音楽が伝えるメッセージは人も社会も変えていた.音楽には,単なる娯楽にとどまることなく,大きな力を持ち,私たちの生活や人生を変えてきた歴史がある.
本連載の最終回は,音楽療法の枠から少し離れて,音楽そのものが私たちの健康や社会にどう生かされているか,世界の事例や研究例を紹介する.そして,これからの医療・保健の世界における音楽の在り方について考える.
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