特集 日本におけるWHO協力センター
自殺総合対策推進センターの国際的な役割と取り組み
本橋 豊
1
1国立精神・神経医療研究センター自殺総合対策推進センター
pp.704-707
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208971
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はじめに—アジアにおける自殺対策の唯一のWHO協力センター
2016年4月1日に改正自殺対策基本法が施行されたと同時に,自殺総合対策推進センター(Japan Support Center for Suicide Countermeasures:JSSC.以下,当センター)は新たに発足しました.当センターは国の自殺対策の推進においてシンクタンク的機能を担う組織であり,自殺対策の実務と研究の双方の機能を兼ね備えたセンターとして自殺対策推進の役割を果たすことが期待されています1).
2016年3月に閉鎖された自殺予防総合対策センターが精神保健研究を主眼に据えていたのと対照的に,当センターは地域自殺対策の推進に関わる地域支援の実務を重視しています.研究面では,自殺総合対策の学際的な政策科学的研究を推進することでevidence-based policy makingに寄与することが求められています.したがって,WHO(World Health Organization)協力センターとしての役割についても,2016年以後は,わが国の優れた自殺対策の取り組みをどのようにして世界に公共輸出していくかという方向にシフトしました.
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