連載 地域における自殺対策の新展開―自殺は予防できる・12【最終回】
自殺対策の最新の動向
本橋 豊
1
,
金子 善博
1
1秋田大学医学部社会環境医学講座健康増進医学分野
pp.224-227
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101523
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国の自殺対策の最新の動向1)
日本の自殺対策の推進体制の要は,自殺対策基本法で定められた自殺総合対策会議である.この会議の会長は内閣官房長官であり,内閣総理大臣の指名する内閣府特命担当大臣(自殺対策)他の9人の国務大臣によって構成されている.そして,自殺対策に関する事務を所掌する内閣府自殺対策推進室(平成19年4月1日設置)が,関係府省により実施される自殺対策に関する施策の連携を図っている.平成19年6月に閣議決定された自殺総合対策大綱では自殺対策の3つの基本認識を示し,自殺対策基本法で示された9つの基本的施策に沿って46施策を設定している.
大綱に基づき,民間の有識者が関与する自殺対策推進会議において策定後1年間の自殺対策の評価が議論され,その結果等を踏まえて,平成20年10月31日開催の自殺総合対策会議において,当面強化し加速化していくべき施策として「自殺対策加速化プラン」が策定された.また,自殺総合対策の一部改正を行い,(1)「5.適切な精神科医療を受けられるようにする」の中に,「うつ病以外の精神疾患等によるハイリスク者対策の推進」を追加し,(2)「6.社会的取組で自殺を防ぐ」の中に,「インターネット上の自殺関連情報対策の推進」を追加した.
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