予防と臨床のはざまで
予防医療医の春2018(後編)
福田 洋
1
1順天堂大学医学部総合診療科
pp.574
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208934
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前回に引き続き,予防医療医の日記風に春の活動を振り返ります.2018年2月9日(金)は医療看護学部で産業保健の講義.多くの看護学部で保健師資格の取得が狭き門となる中,卒業後に臨床へ進むほとんどの学生にとって,産業保健を将来の仕事としてリアルに考えることはますます困難になっています.そのような学生に産業保健師の存在を知ってもらい,興味を抱かせ,実際に現場で働く先輩と接点を持たせることがこの講義の狙いです.興味を持った学生には,先輩たちが熱い議論を繰り広げるさんぽ会を案内し,受付のお手伝いをしてもらいます.今年も,授業終了後に20人以上の学生が参加表明をしてくれました.
16日(金)は第95回臨床疫学ゼミ.年度の最終回となる今回は「健康教育・ヘルスプロモーション・保健指導の評価」をテーマにしてレクチャーを行いました.特定健診・保健指導が開始されてから10年となり,データも蓄積されてきています.現在は健康経営などの職域ヘルスプロモーションも活性化しつつあり,どのような尺度とデザインで評価をしていくかが課題になっています.バイブルともいえる恩師・武藤孝司先生の「健康教育・ヘルスプロモーションの評価」(篠原出版新社)の発行から25年がたちましたが,自分自身が糖尿病患者教育から公衆衛生や予防医学に関心を持ったことを振り返り,今一度,基本から健康教育・ヘルスプロモーション・保健指導の評価について考えてみました.
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