予防と臨床のはざまで
予防医療医,春の講演週間(後編)
福田 洋
1
1順天堂大学医学部総合診療科
pp.528
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208691
- 有料閲覧
- 文献概要
前回に引き続き,予防医療医の日記風に春の講演週間を振り返ります.2017年2月9日は,全国健康保険協会の本部で若手の職員向けに業務研修を行いました.この研修のほとんどは法律に関する講義なのですが,私のコマだけは唯一,医学の話です.医学の基礎ということで,当初は医学部の6年間で学んだことを120分で話してほしいと言われたのですが,国際学会の話題やヘルスリテラシー,健診の数値の理解,1枚のレセプトからわかることなど,さまざまな話題に触れました.多くのポジティブな感想をいただき,健保組合が人の健康にいかに関わり,そこで働くことにどんな可能性があるかを感じていただけたようです.
2月16日は,墨田区と東京商工会議所墨田支部の企画で,区内の中小企業の経営者を対象に健康経営とヘルスリテラシーの講演.23区内でもがん死亡率が高いことを危惧した行政と商工会議所のコラボで,講演会に先立ち,「元気社長の危機管理〜がん対策で健康経営®〜」の小冊子を一緒に作ってきました.行政の企画にしては珍しく,その7割がマンガという攻めの小冊子です.中小企業の社長さんの愛と人情の物語で,それも含めて,ヘルスリテラシーや健康経営ということに対して,頷いてくれる経営者の方が多かった印象です.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.