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医学部教育
2010年に,米国医師国家試験受験資格審査NGO団体(ECFMG)から,2023年以降の受験資格について,世界医学教育連盟(WFME)で認定された医学部の卒業生しか対象にしないと発表されました.このことは,わが国の医師国家試験の受験には直接,影響しないことに加えて,米国の国家試験を受験するものがそれほど多くはないと思われることから,それほど大きなニュースとはなりませんでした.しかし,わが国の医学部は全てWFMEの基準に対応していく方向となり,まず,米国の標準的な臨床実習期間である72週程度を確保することが始まりました.さらに,日本医学教育評価機構(JACME)が設立されることになり,評価基準としてWFMEのグローバルスタンダードの日本版が作成され,それに基づいた医学教育プログラムの評価が行われています.現在,「医学教育分野別評価基準日本版 世界医学教育連盟(WFME)グローバルスタンダード 2015年版準拠」1)が評価基準となっていて,旭川医科大学(以下,当大学)も2019(平成31)年度に外部評価を受ける予定です.
JACMEの評価基準の「2.教育プログラム」には「2.4 行動科学と社会医学,医療倫理学と医療法学」があり,“[行動科学],[社会医学]とは(中略)生物統計学,地域医療学,疫学,国際保健学,衛生学,医療人類学,医療心理学,医療社会学,公衆衛生学および狭義の社会医学を含む”とされています.さらに“科学的,技術的そして臨床的進歩”,“現在および将来的に社会や医療システムにおいて必要になると予測されること”,“人口動態や文化”の変化にしたがってカリキュラム調整を行う必要があるとされているので,関連講座・教員と協力して,7年ごとの再評価も見据えた受審のための準備を行っています.
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