特集 発達障害者支援の到達点—新しい支援の枠組みを考える
発達障害者の就労支援の実態と,支援体制の充実に向けた課題
榎本 容子
1,2
,
浅賀 英彦
3
1元 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター
2独立行政法人国立特別支援教育総合研究所
3独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター
pp.397-401
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208892
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はじめに
近年,大人の発達障害への関心が高まっている.医療現場からは,発達障害の特性がありながらも思春期以降まで配慮を受けておらず,生活の中でさまざまなストレスを経験し,成人期になって初めて受診するケースが多いことが指摘されている1).こうした背景の1つとして,就職活動時や就職後の就労場面での失敗経験が影響していることが考えられる.
本稿では,「発達障害のある人は就労に当たって,どのような困難に直面するのか」,また,そのような中,「就労支援機関をどのように利用して就労に結びつけているか」「今後の地域連携による就労支援の課題は何か」について,われわれが実施した就労支援機関(発達障害者支援センター,障害者就業・生活支援センター及び地域障害者職業センター)へのヒアリング調査およびアンケート調査の結果2)を紹介する.
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