連載 リレー連載・列島ランナー・106
公衆衛生は面白い!—私のキャリアパスから
坂田 清美
1
1岩手医科大学医学部衛生学公衆衛生学講座
pp.85-88
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208819
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
大学卒業と臨床医時代
私は1981年に自治医科大学を卒業した.いわゆるバブルが弾ける前である.当時,ほとんどの医師は卒後直ちに臨床各科を学ぶストレート型の初期研修を受けていた.私は自治医科大学を卒業したため,初期臨床研修の2年間を青森県立中央病院で多科ローテート研修として実施した.内科(循環器内科,消化器内科,呼吸器内科等),外科,小児科,産婦人科,麻酔科,整形外科,皮膚科,眼科,泌尿器科,放射線科などを回った.各科の期間は長い科で3カ月,短い科では1カ月であった.産婦人科では毎日のように当直し,70例の出産に立ち会った.最後には希望する科をまとめて3カ月履修することができた.青森県では医師不足のため,初期臨床研修医は歓迎されていたように記憶している.
私は学生時代から柳川洋 公衆衛生学教授(現 自治医科大学名誉教授)のご指導をいただいていた.自治医科大学では各講座が主催する学生用のゼミナールが盛んに行われており,私も複数のゼミを選択していた.疫学ゼミもその一つであった.公衆衛生学講座には研究費が潤沢にあり,毎週水曜日のゼミの後には色々な人生訓を聞けるとともに,飲みたいだけお酒を飲める環境があり,貧乏学生にとってとても魅力的であった.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.