連載 リレー連載・列島ランナー・103
東日本大震災で被災した3県の被災地の母親たちを元気にするためのリフレッシュ・ママクラス®を実施して
髙村 寿子
1,2
1自治医科大学
2自治医科大学 地域医療学センター公衆衛生学部門
pp.857-861
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208764
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はじめに—被災地における母親支援プロジェクト発足の経緯
今を遡ること6年前の2011年12月に,東日本大震災の被災県伊達市の保健師が第8回子育て支援者セミナー(公益社団法人母子保健推進会議)を受講した.そこで,「子育中のママたちが極度なパワーレスになっている.何とか元気になって欲しい.このセミナーの学びを活かしたい」という熱い思いを聞かされた.その1年後,同セミナーに育児サークル支援の一つとして母親たちの学習の場を提供しているというメッセージが届いた.そこでは,放射線量への不安を抱えながら子育てしている母親たちが自分らしさを取り戻し,ピア(仲間)意識を育くみ,また,生き生きと輝きながら子育てを楽しむことを支えているということであった.
上記の保健師の住民に対する熱い思いと行動は,子育てピア支援の手法で被災地の母親を支えられないかと暗中模索していた筆者や母子保健推進会議を動かし,支援活動の波を起こした.
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