特集 食中毒の新たな課題
新しい食中毒
クドア・セプテンプンクタータとサルコシスティス・フェアリー
小西 良子
1
1麻布大学 生命・環境科学部 食品生命科学科 食品安全科学研究室
pp.494-499
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208684
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はじめに
2008(平成20)年ごろから魚や馬肉の刺身を食べて一過性の嘔吐,下痢を伴う有症苦情事例が顕在化したことを受け,厚生労働省はその解明に着手し,2011(平成23)年6月にヒラメに寄生する“クドア・セプテンプンクタータ(Kudoa septempunctata,以下クドアとする)”と馬肉に寄生する“サルコシスティス・フェアリー(Sarcocystis fayeri,以下サルコシスティスとする)”が新規食中毒原因物質として通知された1).その後,2012(平成24)年12月から,これまで食中毒事件票において「その他」として分類されていた寄生虫性食中毒を,「クドア食中毒」「サルコシスティス食中毒」として届け出がされるように改正された.本稿では,これらの新しい食中毒原因物質のクドア・セプテンプンクタータとサルコシスティス・フェアリーについて,現時点までに解明されていることを紹介する.
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