特集 精神保健医療福祉の改革
最近の制度改革や課題に対応した精神保健福祉センターの役割
白川 教人
1,2,3
,
原田 豊
3,4
,
田辺 等
3,5
1横浜市健康福祉局
2横浜市健康福祉局こころの健康相談センター
3全国精神保健福祉センター
4鳥取県立精神保健福祉センター
5北海道立精神保健福祉センター
pp.813-818
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208543
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近年の地域精神保健を巡る状況は大きく変化し,相談支援機関の対応の対象がこれまでの統合失調症や気分障害・アルコール依存症等から,ひきこもりや成人の発達障害,薬物・ギャンブルをはじめとする様々な依存症等への対応へと疾患構造が大きく変化してきている1).これを受け,精神保健福祉センター(以下,精保センター)は,それぞれの地域の実情に応じて種々の事業を展開している.最近の課題として,東日本大震災以降の大規模災害時の心のケアに関する対応,2013年の改正精神保健福祉法への対応,2014年のアルコール健康障害対策基本法への対応,2016年4月の改正自殺対策基本法への対応,6月の薬物事犯の刑の一部執行猶予制度への対応など,新たな取り組みが精保センターに求められてきている.これらの課題に対応している精保センターと全国精神保健福祉センター長会(以下,全国センター長会)の取り組み状況を報告し,さらに今後に向けた機能強化についての提言を述べる.
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