映画の時間
—私には二つの偉大な“発見”がある——それは彼の才能と,かけがえのない友情だ.—奇蹟がくれた数式
桜山 豊夫
pp.781
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208534
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数学ファンの方には「数学は美しい」ものでしょうが,とっつきにくいという印象をお持ちの方も多いと思います.しかし,公衆衛生にとって(他の分野でも同様ですが),疫学や統計学の基盤をなす数学は,重要な学問であることは言うまでもありません.わが国でも「博士の愛した数式」(2006,小泉堯史監督)のように数学の魅力が描かれている映画もあります.今月ご紹介する「奇蹟がくれた数式」は,数学ファンでなくてもその魅力に浸ることのできる作品です.
1914年,イギリスの施政権下にあるインドのマドラスで,分厚い数学の研究ノートを抱えた主人公ラマヌジャン(デヴ・パテル)が,求職活動に奔走しています.しかし正規の学位をえられずに大学を中退しているようで,なかなかいい職が見つかりません.やっと見つけた経理係の職も英国人の支配人から出ていけと言われますが,インド人の上司の口利きでなんとか馘がつながり,故郷から母親と妻を呼び寄せることができました.
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