特集 災害時の公衆衛生活動
大分県におけるDHEATの創設と試行的派遣の経験から
藤内 修二
1,2
1大分県福祉保健部
2大分県健康づくり支援課
pp.664-669
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208506
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東日本大震災では,保健所をはじめとする行政機関も被災したことにより,保健医療チームの調整がスムーズに行かなかったり,避難所等の生活環境の改善が遅れたりと,災害時の公衆衛生の機能不全がクローズアップされた.こうしたなか,災害時に公衆衛生活動を行う支援組織(災害時健康危機管理支援チーム,以下,DHEAT)の必要性が指摘され1),その制度化が進められてきた.
2016年度には国立保健医療科学院においてDHEAT養成研修が本格的に開始され,国の制度としてのスタートが間近となった4月14日に「平成28年(2016年)熊本地震」(以下,熊本地震)が発生した.制度化を前に,全国の保健所から保健所長を含む公衆衛生チームが被災地の保健所に派遣され,DHEATの活動が試行的に展開されることになった.
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