書籍紹介
『医療政策を問いなおす—国民皆保険の将来』—島崎謙治 著 ちくま新書 2015年
pp.62
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208347
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地域医療構想の策定や在宅医療・地域包括ケアの推進が進められ,2018年度には次期医療計画や医療費適正化計画の策定,改正国民健康保険法の施行,診療報酬と介護報酬の同時改定が予定されている.このように矢継ぎ早に医療制度改革が進められている背景には,経済の低成長や人口構造の変容—「団塊の世代」がすべて75歳以上となる2025年問題が間近に控えている—があり,それに伴い国民皆保険は形骸化するリスクがあると著者はいう.
「将来に対する不安を煽るつもりはない.そうではなく,国民皆保険を堅持するために必要な改革を行うべきであるというのが筆者の基本的主張である.ただし,そのためには,日本の国民皆保険の特質や基本構造を押さえ,近未来の人口構造の変容の影響を正確に把握したうえで,医療政策を問いなおす必要がある.それを論じることが本書の目的である.」(序章より)
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