特集 進めよう! COPD対策
COPD患者の自然経過と治療効果
一ノ瀬 正和
1
1東北大学大学院医学系研究科呼吸器内科学分野
pp.845-848
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208321
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慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)は,通常緩徐に進行性の疾患である.「COPDの進行性」とは病理変化で言えば肺胞破壊(気腫化)および気管支内腔の狭小化が進むことであり,臨床上は呼吸器の検査での閉塞性障害の指標である一秒量(FEV1)の低下で判断される1,2).
近年,わが国はもとより世界的に,COPDは予防と治療が可能な疾患とみなされるようになってきた1,2).その論拠として,COPD治療薬の改良,具体的には薬効の長時間作用性化,吸入デバイスの改良等が挙げられる.加えて,COPDに対する薬物介入の大規模試験で,薬剤の症状改善効果はもちろん,疾患進行や増悪頻度といったCOPDの自然歴に影響を与え,死亡率まで低下させる可能性が示唆された点が挙げられる.
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