内科医がおさえておくべきパーキンソン病診療のポイント パーキンソン病診療の基礎知識
パーキンソン病の自然経過
金原 禎子
1
,
武田 篤
1国立病院機構仙台西多賀病院
キーワード:
Levodopa
,
認知症
,
転倒・転落
,
Parkinson病
,
ジスキネジア
,
Wearing-off現象
Keyword:
Accidental Falls
,
Dementia
,
Levodopa
,
Parkinson Disease
,
Dyskinesias
pp.189-191
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016309833
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パーキンソン病は非特異的な非運動症状で始まり,次いで運動症状が発症することが多い.運動症状の治療開始後5年ごろより薬効発現や持続が不安定化し,運動合併症が問題となる.運動症状発症後10年ごろからは,姿勢反射障害やすくみ,認知機能障害,精神症状など,ドパミン不応性の運動症状・非運動症状が目立つようになる.ドパミン補充療法が可能となり予後が改善された現在も,パーキンソン病罹患後の平均余命が長いとはいえない.とくに,繰り返す幻視や頻回の転倒,認知症の出現や施設介護が必要となると3~5年で死亡することが多い.予後不良と関連する因子には,高齢での発症,高齢者,早期からの認知症の併発,無動・強剛優位型の臨床像などがある.
©Nankodo Co., Ltd., 2016