特集 感染症の新たな脅威
扉
pp.437
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208212
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西アフリカにおけるエボラ出血熱の大流行は,現在(2015年5月)ようやく終結に向かっているようであり,パンデミックになる危機は回避されたように思われますが,この3カ国にまたがる流行は世界で初めての経験です.一方,国内においては,昨夏(2014年)に約70年ぶりのデング熱の国内感染が起こり,公園内の蚊の駆除など対応に追われました.また,サウジアラビア等の中東地域においてSARSと似たコロナウイルス感染症である中東呼吸器症候群(MERS)が新しい感染症として出現しています.わが国においてもこれまで確認されていなかった重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の発生が認められています.さらに,狂犬病清浄国と考えられてきた台湾において,野生のイタチアナグマやジャコウネズミから狂犬病ウイルスが検出されています.
以上のように,現在の世界は,既存の感染症や新しい感染症がわれわれを脅かしている状況にあります.そこで今回,感染症をあらためて取り上げ,新興感染症,再興感染症の新たな脅威として特集を企画しました.
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