連載 [講座]子どもを取り巻く環境と健康・3
環境化学物質の曝露(2)
POPs(ダイオキシン・PCB類)の曝露実態
梶原 淳睦
1
1福岡県保健環境研究所 保健科学部 生活化学課
pp.347-352
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208186
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本稿では,はじめに環境化学物質測定の背景を述べ,ダイオキシン,PCB類分析法および化合物の構造や特徴を簡潔に説明した.次に,北海道スタディの妊婦血液や母乳中のダイオキシン,PCB類の測定結果を記し,ダイオキシン,PCB類曝露の現状を明らかにした.また,過去の事例としてダイオキシン,PCB類の高濃度曝露事件であるカネミ油症事件の次世代影響の最近の知見を解説した.最後に人体のダイオキシン,PCB類の約90%は食品から摂取されていると推察されるので食品中ダイオキシン,PCB類濃度の過去から現在までの状況を解説し,今後の化学物質の曝露量がどのように変化するか考察を試みた.本稿が環境化学物質の曝露実態を理解する上で何らかの参考になれば幸いである.
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