予防と臨床のはざまで
発病,発症,それがどうした
福田 洋
1
1順天堂大学医学部総合診療科
pp.346
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208185
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このコラムでも何度か紹介させていただいた,臨床疫学ゼミですが,総合診療科とさんぽ会の共催で,働きざかり世代の生活習慣病や健康障害の予防や臨床に日々取り組んでいる専門職を対象として,臨床疫学・研究デザイン・統計手法の基礎を学ぶために開催しており,今回で69回を迎えます.2月26日に順天堂大学で開催した69回臨床疫学ゼミは,前半はいつも通りのピアレビューで,保健師の楠本真里氏(三井化学)から,同社で展開するヘルスマイレージの取り組みの報告があり,その評価のデザインやフレームワークについて議論が行われました.
後半は,2014年度の締めくくりということで,父(福田勝洋,久留米大学医学部名誉教授)を北海道から講師に招き,疫学用語の用法の考察について特別講義をしてもらいました.専門職は,日々の業務で様々な専門用語を使っています.特に,患者や社員の病気や健康状態に関わる疫学用語については,特に意識しなくても頻用していると思います.例えば,特定健診・保健指導分野では,受診率,継続率,中断率,実施率,メタボ脱却率など,○○率の百花繚乱ですが,分子と分母を正しく把握している人がどれぐらいいるでしょうか.実際に,学会やシンポジウムなどの議論でも,用語の定義がしっかりしていないために,議論が噛み合わないということもよく経験します.
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