特集 地域保健情報のシステム化
パソコン利用による保健婦業務の効率化
遠藤 昌一
1
Shoichi ENDO
1
1栃木県佐野保健所
pp.522-524
発行日 1989年8月15日
Published Date 1989/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207990
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■はじめに
保健所業務のシステム化については東京都八王子保健所がオフコンを持ち,保健所業務全般にわたり,システム化に取り組んでいる.しかし現在の段階では,全国平均的な保健所では,オフコンを持つ包括的なシステム化にはまだほど遠いように思われる.それでも栃木県では,コンピュータが保健所業務の効率化には不可欠であると考え,1保健所にパソコン2台(1台は結核サーベイランス用)とワープロ1台を配置し,職員にはパソコン教室を開いて,基礎的な教育を行ってきた.しかし,保健所の実際の業務に対しての適用は,それぞれの保健所に任されている.筆者の所属する栃木県佐野保健所で主に活用されているのは,ワープロ機能と業務統計の集計・食品衛生・環境衛生関係の登録などである.
しかしコンピュータにはもっといろいろな複雑な事務を効率的に処理する機能がある.例えば顧客に関する必要な情報を入力しておき,その適切な処理により顧客に積極的なサービスの提供を図ることが出来る.保健所にはさまざまな顧客,例えば病院・診療所・薬局・食品衛生および環境衛生関係業者・浄化槽管理業者などが登録されている.中でも最も緊密な,しかもさまざまなフォローアップの必要なのは,保健婦が抱えている保健指導を必要とする症例であろう.筆者らはこれらの症例の情報をパソコンで処理し,保健婦の保健指導の効率化を企てた.
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