特集 腎疾患の予防と生涯管理
腎疾患の総合的対策
金森 仁作
1
Jinsaku KANAMORI
1
1厚生省保健医療局疾病対策課
pp.323-327
発行日 1989年5月15日
Published Date 1989/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207934
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■はじめに
わが国における腎疾患,特に慢性腎不全の患者数は年々増加し,人工透析を受ける患者数は,昭和62年末8万人を超え,新規導入患者数は年間約1万5千人で,前年に比べ約7千人の増加が見られ,この傾向は当分続くことが予想される.
また,人工透析を受ける患者の肉体的・精神的苦痛は大きく,人工透析の長期化に伴う透析患者の骨代謝異常,アミロイド沈着などの合併症や透析患者の高齢化が問題となる一方,人工透析に要する医療費も約4,000億円と推定され,総医療費に占める割合も約2.5%と医療経済,医療資源の有効活用の観点からも大きな問題といえる.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.