「ナイチンゲール基金（仮称）」の創設を―看護婦確保対策についての提言

看護婦需給を取り巻く現実

　わが国において，保健婦，助産婦，看護婦，看護士，准看護婦および准看護士（以下，看護婦等）は，就業者数をみると，1990（平成2）年で約83万4千人と医療関係職種では最も多数を占めています．しかし，需給関係では需要が供給を上回り，看護婦等の不足は医療問題のみならず大きな社会問題となっています．

　とりわけ，諸外国にも見られない人口の高齢化が進むわが国では，医学・医術の高度化・専門化，入院期間の短縮や高齢者老人保健福祉10か年戦略（通称ゴールドプラン）に基づき，老人保健施設の増設，特養老人ホームの増設，各種通所施設の増設，また在宅ケアの進展などにより看護婦等の需要は益々増大することが予想されます．