てい談
今,保健所を語る—評価と課題をめぐって
今村 イヨエ
1
,
草野 文嗣
2
,
多田羅 浩三
3
1兵庫県川西保健所
2滋賀県彦根保健所
3大阪大学医学部公衆衛生学
pp.759-763
発行日 1988年11月15日
Published Date 1988/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207812
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保健所への自負と誇り
多田羅 今日は,われわれの目下の最も大きな課題となっている「保健所の将来構想」ということを念頭におきながら,「保健所の果たしてきた役割,評価」,あるいは「公衆衛生の人づくり」ということまで含めてお話しいただきたいと思いますが,よろしくお願いします.
考えてみますと,日本の保健所は,昭和12年に設置されて以来,地方自治の理念を基盤として国民の保健サービスの専門機関として50年間,国民の健康の維持,向上にかけがえのない役割を担って来たということは,皆さんの等しく認めるところであろうと思います.なんといっても全国に850カ所ものネットワークがあって,そこに公衆衛生専門の医師と看護職及びその他の保健衛生に関する専門職がいるというような国は,そんなにないだろうと思います.そして,結核予防法にしても,母子保健法,精神保健法にしても,着実な成果を上げてきた.そのような保健所の歴史に対し,われわれはまず大きな自負と誇りを持つべきだろうと思います.
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