特集 地域歯科保健
今津保健所管内のむし歯予防活動
草野 文嗣
1
Fumitsugu KUSANO
1
1滋賀県今津保健所
pp.873-877
発行日 1981年11月15日
Published Date 1981/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206424
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国民病ともいえるほど日本人に広くまん延しているむし歯は,幼小児期における防止対策が特に重要である.むし歯は予防法がある程度明らかになっており,防ぎうる疾患である.ただ,それを実行出来るか否かが大きなポイントになっている.幼小児のむし歯は,母親をはじめとして,家族がつくってしまうといっても過言ではなく,各家庭の生活習慣に由来する疾病でもある.したがってこれの予防には,各家庭の意識の向上と生活習慣の改善をしなければ十分の効果は期待できない.
われわれの保健所管内は歯科医師数も人口10万対20と少なく,3歳児歯科健診の結果も悪く,6ヵ町村のうち1村では3歳児のむし歯罹患者率100%という状態であった.そこで,管内の歯科衛生の改善・幼小児のむし歯予防を目指して,昭和50年から高島群歯科医師会の全面的な協力を得て,むし歯予防対策を保健所の重点事業の1つとしてとり上げ積極的に活動をすすめてきた.
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