特集 コミュニティと精神保健
精神保健センターにおける地域精神保健活動
石原 幸夫
1
Yukio ISHIHARA
1
1神奈川県立精神保健センター
pp.607-610
発行日 1988年9月15日
Published Date 1988/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207770
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はじめに
国際的にも大きな注目を浴びたわが国の精神衛生法は,その名も精神保健法と改められ,漸く動きはじめた.精神衛生センターは"精神保健センター"と名称が変わることになった.この施設の前身は,1950年の精神衛生法で設けられた"精神衛生相談所"であったが,1965年の法改正により精神衛生センターとなり,そして今回精神保健センターと改められた.この3度に及んだ名称の変更は,奇しくもわが国におけるcommunity mentalhealthの変遷を象徴的に物語っているといってよい.
精神衛生センターはこれまで,保健所との緊密な連絡協調のもとで,都道府県における精神衛生の総合的な技術センターとしての役割を担ってきた2).1960年代そして70年代の精神病院を中心とした病院精神医療優先の時代にあって,精神衛生センターは,唯一community mental healthの実践基地として,保健所と共に,地域精神衛生活動を展開してきたといってよい.
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