調査報告
中国内蒙古牧区蒙古小児の毛髪内セレンの調査
王 非
1
,
稲葉 裕
2
,
千葉 百子
2
Wang, Fei
1
,
Yutaka INABA
2
,
Momoko CHIBA
2
1中国遼寧省錦州医学院小児科
2順天堂大学医学部衛生学教室
pp.560-562
発行日 1988年8月15日
Published Date 1988/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207756
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近年,毛髪内微量元素と生体との関係が注目されているが,中国の環境の大きく異なる地域に居住する内蒙古牧区蒙古族小児を対象として,毛髪中のセレン(Se)濃度を明らかにする目的で調査研究した.地球化学的な元素の存在,すなわち地殻中に含まれる元素の存在量に応じて,その土地特有の疾病を生み出すことはよく知られているが,内蒙古の牧区牧民は蒙古族特有な生活方式を保持し,牛乳,羊乳,乳製品,牛,羊肉の自給自足の生活を行っている.従ってその食事は比較的単一であり,牛乳,羊乳及び,牛,羊肉を主食とする.その土地におけるSe元素の存在量が食事中に反映され,欠乏を起こしやすい状況にあることが予想される.本文は内蒙古牧区蒙古族小児の毛髪内Se元素について報告する.
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